「人を診る」から「未病」を治すことができる

西洋医学の発展には、こんな背景がありました。
Ⅳ世紀「近代哲学の父」デカルトは「人間の体は精密機械のようなものである」といいました。
まり、無数の部品が集まってできているので、どこかが故障したのなら、その部分を修理すれば
この思想がもとになって、西洋医学ではまず体を切り開いて内部の構造を知ろうとする「解剖学」
が発達し、顕微鏡が生み出され、その後もレントゲン・超音波・CTスキャン・MRIと診断技術が飛躍的に発展しました。また同時に「部品」の修理のための手術の技術も進歩したのです。
岨世紀の時点では、人々の死因のトップは感染症でした。当時の医学者たちは必死になって研究
を進め、細菌という目に見える敵を発見しました。それからの西洋医学は「外敵の発見」と「武器の開発」に精を出すことになりました。
このように歩んできた結果、現在では細菌感染の治療をはじめ、レントゲンやCTスキャンで病
変を発見して手術で腫蕩を切りとるなど、危急の場合の処置や救命措置について、西洋医学は大きな効果を上げています。この機動力が人間の死亡率を下げ、寿命を延ばしたのは確固たる事実です。
しかし、現在多くの人々が実感しているように、西洋医学が無力に感じられる分野があります。
環境問題やストレス社会からくるさまざまな疾患、高齢化社会を迎えた老人医療、自己免疫疾患などがそうです。例えば、腰痛・神経痛などの慢性疾患や、アトピー性皮層炎・花粉症などのアレルギー性疾患、高血圧症や、がんの多くのタイプの治療には西洋医学では効果的な治療が望めません。

これらの分野でも活躍できるのが東洋医学です。それは、前の項で述べたように、東洋医学が自
然治癒力を向上させる医学だからです。
自然治癒力は、体を本来の状態、バランスのとれた状態に戻そうという働きですから、これを高
めようという治療はどんな病気が相手でも有効です。病気によって効果のあらわれ方の違いはあっても、すべての病気の治療において必要なことなのです。
また東洋医学では「未病」を発見して治すことも大きな目的としています。「未病」というのは
東洋医学の言葉で、病気の芽の段階のことです。つまり、未病を治すということは、病気の一歩手前で立ち止まり、健康に向かって引き返そうというものです。病気になってしまってから慌てふためくような「病気を診る」医学ではなく「人を診る」医学であるからこそ、未病を発見して治療することができるのです。

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